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ADOBE CREATIVE SUITE 5 デザインセミナーツアー レポート(1) [日記]

5月20日(木)品川インターシ ティホール
今回のセミナー(16:30〜の回)は2部に別れ、1部はミルキイ・イソベさんによる「今を変えるデザイン」
2部はCS5の新機能紹介となっていました。まずは第1部の紹介を。

第1部「今を変えるデザイン」
ミルキイ・イソベさん、夜想等の装丁で知られるアートディレクターさんで、わくわくしてみてました。
彼女の言葉は、今まで電子書籍に対する漠然とした不安を払拭してくれるものでした。

まずはじめは、本の装丁を紹介しながら、本と自分の関わりについてを聞きました。
本と「私」の間にあるものーー距離、空間、本を持つことによって獲得できるーーは大きいと言います。本というのは表紙だけでなく背もあるし、紙の質感、手触りがあります。デザインは二次元で作るけれど、開いて、めくって、読む間はその読むエリアのみが「私」との関係を作るということを意識してデザインするのだと言います。
そして紙や製本に対するこだわりについても言っています。普段何気なく存在する段ボールに使う紙を使った装丁を紹介してくれたのですが、その本は普通の平とじではなく糸かがりという方法で製本されていました。これは手間がかかるので、最近あまり見られないものです。でも、この製本だと本を開くと、ちゃんとその開いたページがそのままになる(平とじは開いて、手を離すと閉じてしまう)という製本です。例えばこれならば片手でも読める。手が不自由な方でも読みやすい。
そう言われてはっとしました。
そう言えば本を読むのは無意識にやっていることが多いですね。手で持つ、めくる……そう言ったなかに色々な行為があるのだと気づかせてくれました。

そして次に見せてくれた「ドキュメント ヨーゼフ・ボイス」という本。これは巻き段ボールで装丁されています。でこぼこ面が折れたりつぶれたり、曲がりやすいけれど、この質感もメッセージの一つだと言います。
普通だったらこの痛みやすい装丁は、再販するために戻ってきたときにはもう使い物にならないのも出てくるんだろうな……と思ってしまいます。
でも、戻ることが前提で印刷の効率や対応を考えると、こういう冒険はしにくいものです。
本の装丁は再販制度を考えると新しい素材は考えにくい世界であるとも言えます。
しかし「作ってなんぼ!」だとミルキィさんは言います。
デザイナーは勇気を持ってデザインし、編集さんがそれを身体を張って守り、流通担当が方法を考え、営業さんががんばって売っていくんです、と。
本というプロダクツはまだまだやることがあるはずだと。
誰かが残そうとしないと消えてしまう。意識したことを伝え、伝え合うことが必要だと言うことでした。

さてここで、とある児童書を題材に、子ども達の日常の感覚が失われていく危機についてのお話がありました。
とある超ベストセラーの児童書は、例えば怖いシーンには怖そうなフォントを使うという、書体のオンパレードだそうです。このおしきせはいけない!と。
こちらからそう言うイメージを押しつけてしまうと、子ども達の想像力を損なわせるというのです。
それで思い出しましたが、子ども達に本を読み聞かせるとき、声音を使ってはいけない、あくまでも普通に読む方が子どもの想像力を伸ばすのだと聞いたことがあります。
そうか〜、へたな甘やかしはいけないんですね〜。
そんな本を見てしまったからと、「組む。」という本を出したそうです。

「本文というのが本の中で一番多く私たちに触れる部分です。組み版の重要性を、文字を扱うプロとして意識しなくてはいけない。それが私たちの使命だと思う」
頼もしい一言であると主に、自分自身にもこれは忘れないようにせねばと思いました。
そして「内容に則した文字組をすること」が重要だそうです。
ミルキィさんもそうだけれど、祖父江さんのブックデザインを見てもそうだし、本を作る人達の文字に対する情熱とその仕事ぶり、いつも頭が下がります。

いまはInDesignという便利なツールがあるので、美しい文字組が出来るのです。せっかくの道具ですから、美しい文字組を目指したいなと思います。

最後に、今後どんどん出てくると思われる電子書籍について。
私の周りでは「もう雑誌は終わりで、本もどんどんなくなる」という意見を多く聞くようになってきました。
そんな中でミルキィさんのような本に関わる人達はどうしているんだろうというのが疑問でした。
が、「iPad出るのが楽しみ!」と言っていて、その理由というのがこのiPadの出現によって、今まで本に関わらなかった人まで本に興味を持つようになったと言われたとき、目から鱗が落ちるようでした。
しかもこのあと棲み分けの出来るアイディアを提示できるし、どういうデザインを提示できるかチャンスだと言うことでした。
いままでネガな事ばかり考えていたけれど、こんなポジティブな言葉に救われた気がしました。
私たちはこれからもずっと文字を読むことはやめない。
それをふまえてデザインをしていきたいものですね。


組む。 - InDesignでつくる、美しい文字組版

組む。 - InDesignでつくる、美しい文字組版

  • 作者: ミルキィ・イソベ
  • 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
  • 発売日: 2010/05/25
  • メディア: 単行本



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