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東京国際映画祭 「タンゴ・シンガー」 [映画]

子供の頃家ではよくタンゴのレコードをかけていた。それでタイトルに惹かれて、国際映画祭ワールドシネマ部門の「タンゴ・シンガー」を見た。

タンゴ歌手の女性が失恋の痛手から立ち直れず、苦悩する姿を多角的な視点で描いた作品。
視点や時間軸を変えて描く手法は、時として観客を混乱させる。
それでも、色々な可能性を秘めた未来の予感を指し示している事に気づいたとき
自分だったらどうするか?そう問いかけられているような気持ちで見るようになった。

しかし主人公の女性には最初とても共感を覚えることはとうてい無理だと感じた。
それほど勝手で極端なのだ。言ってみればストーカーまがいのことを別れた男性にしたり、
仲間を捨ててさっさと出て行ったり……いやはや、激しい。

映画の後に監督と女優による質問コーナーがあって、この映画の内容、解釈について観客と色々話をしてくれた。
そこでこの主人公の身勝手さ(というかはっきりストーカーみたいと言う感想もあがっていた)についての質問が出ていた。おどろいたことにアルゼンチンではそんなに突飛でなく、実際監督や女優さんの周りにもこういった行動をする人はいるそうだ。(もちろん監督達も「決してほめられた行動ではないが、と前置きしている)
とにかく熱いというか、人生においての恋愛は一大事なのだ。

とくに監督は主人公がより極端な性格に描き出しているという。これは共感難しいわ(笑)。

しかし、後半になるといくつかの可能性をパラレルワールドとして描き出すので、時間が行きつ戻りつする。おおまかには2つの世界が描かれる
一つは失恋を抱えぼろぼろになりながら、それでも歌手としては成功していく世界。
もう一つは全てを捨てて(国さえも)新しい生活を始め、傷を癒し、自立していくという世界。
私はこの自立していくときの彼女の表情の変化や歌を取り戻す姿にすごく救われた。
いずれにしても彼女は歌から離れられない。

特筆すべきはエレナ役のエウヘニアさん。彼女は歌手ではく、1年半の特訓を受けたという。それでも彼女の歌は良かった。そしてライブのシーンは、全てライブで撮影しているという。後から音を入れたりとかしていないのだ。それだけに気迫のようなものが伝わってくる。
そして、タンゴの歌詞が物語の内容とすごく合っている。この映画のために書き下ろしたのかと思うほどだ。それほどアルゼンチンの人の人生はドラマチックなのかな(笑)
映画に登場する歌の師匠は、この映画のためにエウヘニアさんを教えてくれた、有名なタンゴ歌手らしい。彼の歌うシーンもすばらしい。こんな年寄り(失礼)なのに、なんだか艶っぽい!

最後にエレナが歌う歌、「私が誰で、どこから来たのか誰も知らない。しかし私は自分が何者か分かっている」といった内容なのだけど、彼女そのもののような歌だった。すごく気に入ったんだけど、歌の名前が分からない。残念。
いままでタンゴというと曲とダンスしかイメージになかったけれど、歌もすばらしいと言うことが分かった映画でもありました。

監督/脚本/撮影:ディエゴ・マルティーネス・ヴィニャッティ
主演:エウヘニア・ラミレス・ミオリ

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